こんにちは、ミヤヒロです
今回も日経新聞朝刊の1面から、「トヨタがアメリカへ電池工場を設立する」記事について紹介します。
記事とは関係ないですが、今回は記事の内容に加えて、「トヨタ生産方式」についても、解説します。
この言葉は、書籍になっているくらい製造業界で有名な運用方式で、ビジネスの現場でもよく使われることがあるので、解説します。
では早速、記事の要約です!
- トヨタはアメリカに自動車用(EV車やHV車)の電池を、生産する工場を新設すると発表した
- 工場新設のためアメリカに新会社を設立。2030年までに、アメリカでの車載電池に3800億円の資金を投じる
- 新会社はトヨタが主体的に運用できるよう、トヨタグループの会社が出資を全額おこなう
- グループ内で全額出資する目的は、電池の安全性や品質を高めるため、外部に依存しない内製化を重視する
記事の全文を読みたい方はコチラ
トヨタの新会社の設立の目的・背景
- トヨタは2030年までに車載電池に、全世界で「1兆5000億円」を投じる計画をしており、今回の取組はその一環である
- バイデン米大統領は「環境保護対策として」、米国内の自動車生産を従来のガソリンから電動車へシフトするよう、自動車メーカーに求めており、今後、欧州を含めた世界の自動車メーカーとの競争激化が予想される
トヨタ生産方式とは?
ジャストインタイム
ジャストインタイムは、「必要なモノを、必要な時に、必要な分だけ」生産することです。
組立てる各工程の担当は、
- どの注文がきてもすぐに造れるように、すべての種類の部品を少しずつ揃えておく
- 使用した部品を使用した数量だけ、その部品を造る前工程の担当から引き取る
- 前工程は、同じく、すべての部品を少しずつ揃えておき、引き取られた数量だけ生産する
こうすることで、過剰な在庫を抱えるリスクを減らし、原材料のコストを削減することができます。
自働化の徹底
人の働きを機械に置き換えることで、工場の省人化を図り、人間をより付加価値の高い仕事へ振り向けます
「動」ではなく「働(人のはたらき)」を使っていることがポイントです
いくら機械で生産を自動化できても、機械に動作不良が生じてそれに気づけなかったら、機械は不良品を生産し続け、生産ロスが生まれてしまします
そのために、機械を監視する役割の人間を機械のそばにずっと配置しなければならず、生産性が低下します。
そこで、人間が作業でミスをしたら一度作業をやめて改善するように、機械の生産ラインにも同じ仕組みを組み込みます
【具体的な手法】
- 機械が不良品を生産したことを検知できる仕組やシステムを作る
- 不良品を検知したらすぐに止まる
- 管理者は異常の原因(再発防止策)を見つける
- 問題点を取り除き、改善策を問題があった仕組、システムに適用する
この②~④の改善サイクルを回し続け、徹底した生産手段の合理化とムダを最大限削っていくのです
以上が「トヨタ生産方式」のザックリとした解説です
このノウハウは自動車業界だけでなく、このムダを排除し企業財務を安定化させる効果から、さまざまな業界や会社で取り入れられています
今日のトヨタの華々しい業績も、これらの「ジャストインタイム」「自働化」の手法を、100年以上磨き続けてきたからこそあるのだと思います
しかし、これも完璧なノウハウではありません。
最近はコロナで世界的な半導体の供給不足が発生し、手元に部品がなく製造できず、自動社メーカーは相次いで減産発表しております
「このような状況では、不測の事態に備え一定数確保してくおくべきではないか」という、ジャストインタイムの手法を見直す動きも出てきているようです
一度確立したノウハウも、時代や環境の変化に合わせて、柔軟にアップデートしていくことが重要だと考えさせれれますね
本日は、記事の紹介を少し、記事の話題とは違った話を多めに解説しました
今後もネタに困った時は、なるべく読者の皆様のためになるような知識を、プラスアルファして発信していきたいと思います